HD-PLCアライアンスが国際標準化を推進する次世代通信規格の技術ドラフト1.0が IEEE P1901c作業部会で承認!
HD-PLCアライアンス (*2) (以下、アライアンス)は、 IEEE標準化協会(*3)の次世代通信規格IEEE P1901c作業部会(8月開催)において、当アライアンス会員であるパナソニックホールディングス社が提案し当アライアンスが賛同した技術が、IEEE P1901c技術ドラフト1.0として承認されたと発表しました。
IEEE P1901c規格は、IoT時代の通信方式として同社が開発したWavelet OFDM方式(*4)をベースとした次世代通信規格であり、制約の多い様々な通信媒体(エニーメディア/Any Media:有線、無線、海中含む)を一つのデバイスで利用可能とする規格として世界初です。
Wavelet OFDM方式は、当アライアンスが推進するHD-PLC(*5)の基本技術であり、既に国際標準IEEE 1901-2020規格として採用され、現在では、ビルや工場、社会インフラのIoT通信手段として世界中で広く導入されています。
IEEE P1901c規格は、有線通信として、様々な通信媒体(電力線、同軸線、通信専用線)での通信、及び更なる長距離化が可能となります。 更に無線通信として、アンテナを利用した微弱電波による通信によりセキュアかつ通信範囲を制限可能な近距離無線通信(*6)が可能となり、加えて従来困難とされていた海中におけるIoT通信(*7)も可能となります。
当アライアンスは、現在推進中の国際標準IEEE 1901-2020規格に準拠した第4世代HD-PLCに加え、IEEE P1901c規格をエニーメディア対応IoT次世代通信方式として普及活動を積極的に進めてまいります。また同規格に対応した通信互換認証システムを順次構築してまいります。
また、来たる2023年9月27日~28日ドイツマンハイムにて開催されるWSPLC(*8)において、同方式を紹介する予定です。
(注釈)
-
注1.有線通信(電力線や制御線等を使用した通信)、無線通信、海中通信を共通の変復調技術で実現する、通信技術および国際規格は世界で初めてです。
-
注2.2007年にパナソニックホールディングス(株)(当時、パナソニック株式会社)が設立した任意団体で、HD-PLC対応機器間の通信互換認証、国際標準活動、普及活動を目的とする。
-
注3.IEEEは、Institute of Electrical and Electronics Engineers, U.S.Aの略語。2010年にHD-PLCがコア技術として採用された、高速電力線通信のグローバル標準。その最新版 IEEE 1901 std-2020は、2021年に発行。
https://standards.ieee.org/standard/1901-2020.html -
注4.Wavelet OFDM:Waveletとは、局在する波(有限長で速やかに減衰する波)の関数のことを指す。データに対してWavelet変換を施すことで周波数解析などに用いられる。本技術では、離散Wavelet変換の一種をOFDMに活用している。
-
注5.HD-PLC™およびHD-PLC™マークは、パナソニック ホールディングス株式会社の日本、その他の国における登録商標または商標です
-
注6.Wavelet OFDMによる近距離無線通信技術は、2021年11月にPaWalet link技術としてパナソニックホールディングス(株)から発表されました。
https://news.panasonic.com/jp/press/jn211110-1 -
注7.海中IoT通信技術として、従来、光無線通信や音響無線通信が知られています。光無線通信は高速通信が可能ですが、深海など光の届かない環境での利用に課題があり、また音響無線通信は長距離通信が可能ですが、高速通信が課題とされています。
-
注8.WSPLC MANNHEIM: 14th Workshop for Powerline Communications。
https://jp.nessum.org/media/event/wsplc2023
【関連情報】
- HD-PLCアライアンス会員による関連プレスリリース:パナソニック ホールディングスの開発技術がIEEEの次世代通信規格の技術ドラフトとして承認
- PDF:HD-PLCアライアンスが国際標準化を推進する次世代通信規格の技術ドラフト1.0が IEEE P1901c作業部会で承認!