スマートグリッド通信の未来を支える選択肢─次世代PLC技術「Nessum WIRE」の可能性
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川畑 直弘
近年、業務用空調やビルオートメーションの分野では、IoT化が進展し、高速かつ信頼性の高い通信、そして迅速なネットワーク構築は競争力を左右する重要な鍵の一つとなっています。
従来、多くの空調機ではRS485やメーカー独自プロトコルによる低速かつ非IPの通信方式が広く使われてきました。この仕組みでは、多様なセンサーとの連携や、エンジニアリングの工数削減、運用効率化といった今日求められる要求に対して、通信速度や拡張性がボトルネックとなっていきています。高速かつ信頼性の高い通信であるEthernet(有線LAN)を利用する選択肢もありますが、労働人口減少に伴う人手不足、施工人件費の上昇、既設配線の再構築にかかるコストなどから障壁となる場合があります。
そのような中、空調メーカーであるダイキン工業にて、空調機の次世代通信方式としてNessumが採用されました。Nessumの特長を活かし、既設配線を再利用可能としながら通信の高速化・IP化・高信頼性を同時に実現しています。
この次世代通信方式は、業務用マルチエアコン VRV7シリーズに搭載され、2024年11月に発売されました。
Nessumの採用により、ダイキン工業は新たな空調価値を次々と創出していくことを目指していきます。
Nessumは、既設の配線をそのまま活用し、高速かつ広範囲なIPネットワークを構築可能な通信技術です。ツイストペア線、同軸線、電力線などのさまざまな線を、線種を問わずに通信用の線へアップグレードが可能であり、配線の形態にも限定されないトポロジーフリーな技術として、低コストでのネットワーク構築に貢献できます。
数kmの距離において、数Mbps~数十Mbpsの速度で伝送を可能とし、Masterあたり最大1024台のデバイス接続とマルチホップによる自動中継技術で大規模ネットワークを構築可能です。さらには、強固な耐ノイズ性能と通信に使用する帯域幅の柔軟な変更により、ロバスト性の高い通信を実現しています。
国際標準規格IEEE 1901に準拠した信頼性の高い技術として、安心してお使いいただけます。詳細については、以下のページも参照ください。
IoT社会のスキマを埋める-Nessumは、業務用空調やビルオートメーションなどの分野において、低速かつ非IPな有線通信を短工期・低コストで高速IPネットワークへ進化させることが可能な技術です。
労働力人口の減少による人手不足やカーボンニュートラルへの対応など、企業が直面する社会課題の解決策としてこれからも貢献してまいります。
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