馬場 房恵
Nessum(注1)アライアンス(本社:福岡県福岡市 代表:荒巻道昌)は、デジタル時代における通信標準規格の進化に向けた新しい国際標準規格IEEE 1901c(注2)のリリースを発表しました。Nessumアライアンスの卓越した専門家メンバーによる共同作業の成果として生まれたこの画期的な標準規格により、新たなブランドNessumで世界中のIoT通信機器との接続パラダイムを再定義する準備が整いました。
IEEE 1901cの発表により、Nessum(以前の名称HD-PLC(注3))には以下の多彩な特長があります:
さらに、Nessum技術は、アンテナを装着することで、微弱電波による短距離高速無線通信技術として活用することが可能であり、水中/海中の通信にも活用できます。これにより、さまざまなメディアに対して、多目的な通信ソリューションを提供します。
IEEE標準規格協会(注4)は、2022年5月にIoTアプリケーション向けの様々なメディア通信標準の開発プロジェクトIEEE P1901cを発足し、Nessumの技術力の礎となるWavelet OFDM方式(注5)を採用しました。数か月にわたる審議と改良の結果、IEEE 1901cは今年2月に正式に承認され、通信標準の画期的な進歩を成し遂げました。
IEEE 1901WGの議長Jean-Philippe Faure氏は、Nessumアライアンスの専門家メンバーの貢献を称賛し、「この新しい標準は、電力線通信の適用範囲を既存の通信線に拡大し、微弱無線として利用することにより、高速で短距離の無線通信(注6)への展開に新たな可能性を開く」と強調しました。
パナソニックホールディングス株式会社 事業開発室室長の西城洋志氏は、「製品での活用だけでなくアプリケーションやサービスにおいても、IoTの国際通信標準として世界中に広まるよう推進したい」とグローバルな普及に向けたNessum共通のビジョンを表明しています。
一方、株式会社メガチップスの執行役員 通信事業本部長 梶原啓司氏は、「当社はBlueChipとしてNessum LSIの開発を進めており、新規格への対応により市場とアプリケーションの拡大を期待しています」と、新標準による市場拡大への期待を表明しています。
アメリカGE Vernova社のCTO兼事業開発リーダー、Christopher Trabold氏は、「電力インフラのデジタル化と並行して、急速に需要が高まっている電力線通信に着目している」とし、IEEE 1901cにとって有望な展開を示唆しました。 IEEE 1901cの変革的な能力は、イノベーティブなリサンプリング技術によりNBPLCとして数百kHzの帯域をカバーすることで、長距離の電力線通信にまで拡張されています。この進化的な飛躍は、中電圧システム制御からスマートメーターまで、さまざまなセクターで共鳴し、アジアを含む新しい応用分野が広がっています。
ドイツPower Plus Communications AG社のテクノロジーマネージメント総責任者であるMarkus Rindchen氏は、Nessumがドイツのスマートメーターゲートウェイ事業において欠かせない役割を果たしており、大規模展開においてその重要な役割を強調しました。
また、Socionext Europe GmbHのTomislav Drenski氏は、新しいNessum ICの促進に期待を寄せており、「当社の先進的なNessum ICには、市場で利用可能な他の電力線ソリューションを凌駕する高速で安定した長距離通信など、ユニークな特長があります」と述べました。
Nessumアライアンスは、市場ニーズの多様化に応え、世界中で相互運用可能なAny Media通信を推進し、IoT社会への貢献を目指します。ウェビナー、セミナー、展示会などのプロモーション活動に加え、互換認証システムの整備と普及、国際標準化活動を積極的に推進してまいります。
(注釈)