labサポート
株式会社シキノハイテックと株式会社ソシオネクストは、電⼒線通信技術 HD-PLC の第 4 世代となる国際標準規格EEE1901-2020 に準拠した LSI「SC1320A」を搭載する通信用モジュール「P-TMFSU-041」を試作し、その動作を確認したことを発表します。両社は今後、同モジュールの実用化と量産に向けた協業を継続し、HD-PLC の本格的な普及と市場の拡大を目指します。両社は12 月 6 日(月)より東京ビッグサイトで開催される展示会「スマートビルディングEXPO (https://www.smartbuilding.jp/ja-jp.html)」の HD-PLC アライアンスのブースにて、今回試作したモジュール「P-TMFSU-041」および搭載 LSI「SC1320A」の紹介を⾏います。
IEEE1901-2020 は従来技術に対し、より⻑距離の通信を可能とする 1/2、1/4 モードを有しており、マルチホップ技術による最大 10km の通信を可能にし、より幅広い分野での活用促進が期待されています。
ソシオネクストは、パナソニック株式会社がライセンス提供する IEEE1901-2020 準拠の半導体設計用 IP コア「HD-PLC」を採用した世界最初の LSI となる SC1320A を開発しました。ソシオネクストが強みを持つ信号処理技術と回路設計技術により、HD-PLC の特⻑を活かしながら低消費電⼒(200mW)、3.3V 単一電源と⼩型パッケージ (7mmx7mm) による省スペース化などを実現しました。SC1320A は現在サンプルの提供中で、量産の開始は 2022 年第 3 四半期を予定しています。
シキノハイテックはこれまで組み込み機器などの IoT 通信に向けた PLC通信モジュールの開発、製造と販売を⾏ってきました。
今回、SC1320A を採用した HD-PLC 第 4 世代規格 通信モジュール P-TMFSU-041 で電⼒線など既設配線を利用して⾼速データ通信が可能になります。既存の配線を利用することで新たに通信用ケーブルを敷設することなく有線ネットワークの構築を可能にします。マルチホップ機能を搭載しており複数の PLCモジュールを中継して通信距離を延ばすことができるため、⻑距離通信が必要な⼯場・ビルや建設現場など幅広いシーンでの導入が可能です。 本製品を使った通信は、データの暗号機能に加えてモジュール間の伝送路状態をダイナミックに判別する機能も搭載している事から⾼いセキュリティ性を保持しています。 モジュール形状は⼩型で複数の線材形状にも対応するため、既設配線を利用している⾼速通信機器へも容易に組込みが可能となります。なお今回試作した通信モジュールは 2022 年度の商品化を目指し評価と開発を継続します。
ソシオネクストとシキノハイテックは「HD-PLC アライアンス」のメンバーとして今後も密接な協⼒を継続し、単体LSI、通信モジュールの提供に加えて HD-PLC を活用する様々なアプリケーションを提案し、同技術の普及と市場の拡大に貢献していきます。
詳細は、各社ホームページをご覧ください。